稲垣智子「嘔吐」展

現在、大阪の現美センターでやっている「嘔吐」を見てきました。

展示室Aを使った映像をメインとしたインスタレーション作品です。
そこそこ広い空間なんですが、ほとんど物を置かずに
部屋の隅にプロジェクターで映像を壁に投影してました。
そして、その一角を区切るように、映像内で使われていた衣服が一列に並べられています。

映像は白の背景で女性が嘔吐するというものです。
女性が何か硬質の色のついた物を吐き、
それと同時に女性には衣服が付け加えられていきます。
吐瀉物と衣服に現れている対立を見て取ると



体から出て行く/体に付け加わる
硬い/柔らかい
無機的/有機
色彩/白の単色
音/無音



などが挙げられます。ただし、どちらも人工的なもののようなので、
完全に相容れないものとしてみていいのかは分かりません。
というのも、インタビューを読むと「嘔吐」の別の見方を提示するためのようなのです。ジェンダー的な含みはあると思うのですが、あまり単純に読み解いてはいけないように見うけられました。(7日まで)